0096

コナ

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0096

・コナ

Kona

(USA,1969)

【花】

刻み弁(鋸歯弁)。白地だが、開花初期では薄緑色を基部にかけておびる。大唐子咲〜牡丹咲き、中〜極大輪、3月春咲き。花付き悪い。花形はよく乱れる。

【葉】

長楕円形〜楕円形、中型。艶少ない。わかりにくいが、わずかに主脈が盛り上がる。親木の‘Hawaii(ハワイ)’の葉とはやや異なる。

【樹】

横張り性、弱い。成長遅い。

【来歴】

エレガンス系‘Hawaii(ハワイ)’の枝変わり白一色のものの選抜。1969年、Hamilton and Clark Nsy.(ハミルトン・アンド・クラーク農園)作出。

【備考】

咲き始めの色から「緑色のツバキ」とも表現される珍品種。だが、開花すると白になる。きざみ弁は安定して入り親木の‘Hawaii(ハワイ)’を白くした花である。緑色は非常に出にくい。まだはっきりとはわからないが、陰で咲かせると緑色をよく帯びてくれるようだ。私方では昨シーズン、日によく当てて開かせたものは白地で基部はクリームがかり、日陰の路地植えは白地に基部は緑色が出た。今シーズンも試してみようと思う。
とにかく、刻み弁(鋸歯弁)と言うだけでめずらしいが、めずらしい色も出ると言う珍品。
本種‘Kona(コナ)’は、エレガンス系である。枝変わりの元は‘Hawaii(ハワイ)’であり、‘Kona(コナ)’のさらに枝変わりには、きざみ弁にならない‘Maui(マウイ)’がある(‘Maui(マウイ)’は1弁につき数個所しか切れ込みが入らない。)。
この他に‘Kona Benten’という黄覆輪の錦葉品種が‘Kona’から出ているが、芽出しの頃にやや黄緑色の覆輪が出るが「後冴え」することなく目立たなくなってしまうタイプの錦葉。花は親木と変わらない。日本では‘弁天コナ’という名で販売している。
本種は資料は少ないが系統が系統なだけに名前がよく出て来る。私がメインに使っている参考文献には写真などは載っていない。

【参考】

SOUTHERN CALIFORNIA CAMELLIA SOCIETY, 1999 Camellia Nomenclature,1999
Stirling Macoboy, The Illustrated Encyclopedia of Camellia,1998

2003.11.10.追記-2002.08.13.記